生きていくためだからと
蓄え続けた 見境もなく
けれどやがて手放すべき時を知る
巡礼の旅に出かける運命を知る
蓄え続けて 蓄え続けて
それをいつ使うべきかを人は知らない
最期の時にぴったりと器用に
ゼロにできる人なんていない
未来が見えずに人は蓄える
恐れに飲み込まれ保険をかける
何もわからずに人は守り続ける
時には誰かを傷つけながら
大切に大切に自分を愛しながら
丁寧に丁寧に正しさを繕いながら
その先にあるものが他人を
敵と見なす定めだと誰もが知っていても
自分を愛することがやがて自分を突き破り
誰かを愛することができる日を夢見て
今日も守り抜け 守り抜け
いつかそれらを美しく手放すために