雨崩の再会

 

 

今日はあなたに夢の中で会えた
あなたは変わらない笑顔をぼくに与えた
夢の中でゆるし合えたふたりだから
もう肉体は会う必要がないのかもしれないね

あなたと巡り会ったのは神聖な鳥居の前だった
背後には梅里雪山にも似た壮大な白銀の山脈
階段を上れば真下に広がっていたのは
冰湖のようにおそろしく澄んだ青の世界だった

チベットの鐘の音が鳴り響く天空の中で

「ずっと会いたかった」とあなたは言った
ぼくもそうだと伝える前に目が覚めてしまった
起きたらそこは新宿の安ホテルの部屋の中
夢ではないと信じられるほどにあなたを感じた

ぼくたちはふたりで雨崩を訪れたんだね
誰も知る人のいない中国の秘境だからこそ
ぼくたちは隠れることなく思いを分かち合った
少年と少年が愛し合うことをゆるされる異郷

あなたの柔らかい髪を少し触った
あなたは恥ずかしそうに顔を隠した
時が経ち姿形はどんなに変わっても
あなたの魂はずっと変わらずにいるよね

 

 

 

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同性愛者として生まれた水色の少年は、この人生で幸せにはなれないのだと悲しい覚悟をした

 

2 件のコメント

  • 水色さんはじめまして。
    今現在彼氏がいるのに、職場のノンケを好きになってしまい心が壊れそうになる感覚を日々味わっているゲイです。
    このブログを見て、涙が止まりませんでした。
    水色さんよりはかなり歳上のいい歳したおっさんですが、自分が高校生だった時、水色さん程ではありませんが届きそうで届かない恋がありました。

    (超長文失礼します)
    明るいムードメーカーな彼とは、しばらく仲良しグループとして連んでいました。
    出会った数日で恋に落ちたという感覚でしょうか。
    何故が惹きつけられるものがあり、他の生徒とは違った大人びた物悲しげな雰囲気を、明るい振る舞いとは裏腹に何処か漂わせていた男の子でした。
    席替えで前後の席になり、好きな人と前後の席。
    その嬉しさのあまり用もないのに授業中に後ろから肩を叩いて呼んだ際、相手が振り向いたその顔が近すぎて偶然にも口と口でのキスしてしまいました。
    (横の席の女子がキャーっと喜びながら叫んでいました笑 のちに判明したのですが、その子は完全に腐女子でした笑)
    そこから自分のブレーキが外れて、どんどん深みにハマっていく事になりました。

    女が大好きなやつで、ナンパもしょっちゅう、もちろん彼女や一夜限りの女も多数いるような奴です。
    でも、俺が甘えたり独占しようとすることに一切抵抗もせず、俺が「好きだよ」と言うと
    「バーカ」と言って優しく抱き寄せてくれるような人でした。
    ※果実の触り合いやキスはもちろんありません。
    冗談まじりのキスみたいなのはありましたが、そいつから真摯な愛情を感じた事は一度もありませんでした。

    恋愛ごっこという表現が今となっては1番しっくりくるのですが、そんな付かず離れずの関係性にヤキモキし、俺の気持ちが大きくなっていきました。
    200%片想いだし、性の境界が曖昧な年代によくある勘違い行動ではあるのですが…
    まるで自分が彼女になったかのような思考や振る舞いも数え切れません。

    俺には何でも相談できる女の親友がいました。
    明るく元気で可愛くて誰からも好かれるような子。
    何故が意気投合し、周りから付き合ってるんじゃないかと勘違いされる程に、仲良しの女友達です。
    もちろんゲイであること、その彼を好きで苦しいこと。なぜ自分が男なんだろうと、女だったら直ぐにでも付き合えるのになぁなんて嘆いたりもしました。(女なら誰でも付き合えると思ってることが、ノンケ好きのゲイあるあるですよね。実際には違うのに…)

    彼女は親友である俺の恋路をなんとか実らせようと、間に入って盛り上げてくれるようになりました。嬉しくもあり、純粋に3人でいることが楽しくもあり、違った形で幸せを感じていました。
    そんな時に俺の大切な女親友と、その彼がまるで導きあったかのように、必然であるかのように惹かれ合い付き合うようになりました。

    2人揃って俺に気を使いながら、言葉も選びながら付き合う事になった報告を受けました。
    高校生だった未熟な自分は、理想的なカップルだと2人に満面の笑みを、泣きながら無理やり笑いました。
    一番大好きな、俺の大切な2人が付き合う。
    そんなめでたいことはないと。
    薄汚れた男の俺なんかより、彼には彼女がふさわしいと数え切れない程に自分に言い聞かせました。

    それから程なく彼女は妊娠しました。
    もちろん高校生である2人に子供を育てることは大変難しく、張り裂けるような想いで堕ろすことを選択したそうです。
    俺は彼女の話を聞きながら、泣きじゃくる彼女を優しく抱きしめて「この悲しみは一緒に背負おう」と未熟な高校生の自分は彼女に必死で寄り添うことしかできませんでした。
    今思えば、自分が出来ない・叶わなかった全てのことを自分の代わりに親友がやってくれていると、おぞましい感情だったのかもしれません。

    俺は2人が付き合ってる時にも、自分は彼にはとって特別な存在で、別枠の彼女というポジションなんだと意味不明な解釈を勝手にしていました。
    2人だけの秘密の時間なんて無かったし、甘い果実の秘事なんて一切ありませんし…
    ただ言葉でのやりとりや、喧嘩して仲直りする時の抱き合いなんかが他とは少し違った点でした。
    たったそれだけなのに、勝手な思い込みをすることで最初から分かっている現実、一秒たりとも叶っていない恋の結末を見ないようにしていたんでしょうね。

    子供を堕ろす決意をした頃から、彼と彼女の関係にも陰りが見え始めました。
    そしてそんな人生の大きな出来事で心が精一杯の彼に対し、今までと変わらない甘えやわがままを突き通す俺。
    彼にしてみれば、迷惑極まりなかったでしょう。

    そしてとある深夜、彼が自殺未遂をしました。

    まだ携帯もガラケーしかない時代、彼からメールで「お前の気持ちに答えられなくてごめんな。今から死にます」とだけ送られてきました。
    それを見た瞬間、寝ていた両親を急いで起こし車を出してもらい彼の家に急いでいきました。

    彼の家は真夜中でも仲間たちが出入りするような、実家だけども放任主義という環境下だったため、駆けつけて部屋に飛び込みました。

    幸いにも手首をうっすらと切る程度の傷で、消毒液と絆創膏で治るようなレベルでした。

    当時の俺は、自分のせいで彼が自害しようとしたと信じ込み、恋心に蓋をする決意をしました。
    望まれていない身勝手な強すぎる想いが、人を傷つけて苦しめることがあるんだと学んだ瞬間でした。

    今思えば、俺の恋心などは主軸には無く、彼女との関係+αで自暴自棄になったのだろうと改めて思います。
    でも好きだと何度も伝えても「バーカ」と優しく悲しそうな笑顔で返す彼の優しさを、俺ははき違えて受け取ってたのだと思います。
    何一つ変わらない態度で接し続けてくれたことも、恋心に蓋をしてからの男友達としての当たり障りない関係性も、求めていたカタチではなかったけど、彼の優しさだと今は思えます。

    水色さんの大学時代の彼との関係は、俺と彼の関係性とは大きく異なるものだと思います。
    でもどこか重なるところがあり、居ても立っても居られなくてコメントさせていただきました。

    誰かを想い、そして想われる。
    望む形ではない想いを返されたとしても、きっとその人なりの想いがあるのでしょう。
    当時17歳だった自分が、23年の時を経て、今でも業火に焼かれるような嫉妬や虚しさ、刹那を感じる時もあります。
    でも、生きているその時々に、一緒にいてくれる相手を想いやり愛おしく感じられるようになりました。
    水色さんの心、魂がもし今も苦しんでいるのなら、20年後に振り返った時に、少しくすぐったくなる様な思い出であればいいなと、心から思います。
    水色さんのとっても暖かくて幸せな想いを、お互いに分かち合える人に巡り合えることを祈っております。

    ちなみに職場にいる好きな人は、進展できる訳もないのでモチベーション向上と割り切って楽しんでおります。アイドルの様な存在と申しましょうか…
    こんな長文でコメントしてしまい、本当に申し訳ありませんでした!

    • コメントをありがとうございます。そしてものすごく壮絶な高校生時代の体験談をこのコメント欄に残してくださり、とても驚きました。
      非常に興味深く、そして共感しつつ読ませていただきました。なんだかドラマの物語のようですね。

      自殺を決意したときにmorizouさんにメールを送ったのは、morizouさんに助けてほしいという気持ちが彼にあったからなのかもしれませんね。
      そういう意味ではmorizouさんは彼にとってやはり大きな存在だったのではないでしょうか。
      死のうとする前に、どうでもいい人にメールしたりしませんもんね。
      morizouさんに死ぬのを止めてほしい、morizouさんなら止めてくれるかもしれないという潜在意識が彼の中にあったのは、
      morizouさんが彼にとって精神的に甘えられる唯一の支えとしての役割を果たしていたのかもしれないですね。
      どうしようもなく自殺する運命にあった彼を救って生き延びさせるために、神様がmorizouさんに恋心を植え付けたというのは考えすぎでしょうか。
      何はともあれ彼の命が助かって本当によかったですね。

      同性愛者の人はみんな高校生や大学生の時に誰にも言えないような切なく苦しい、絶対に叶うこともない恋をしながら大人になっていくんですね。
      けれどその傷を一生自分の中で抱え込み、誰にも表現しないまま人生を終わらせてしまうことも多いのだろうと思います。
      ぼくは自分の苦しかった異性愛者の親友に対する恋愛についてこのブログで表現することを通して、今まさに傷つきながら恋をしている高校生や大学生の孤独感を少しでも和らげることができるかもしれないと言う気持ちで文章を書いていました。
      異性愛者に恋をする同性愛者の学生は、それが極めて自然な現象であるがゆえに、どんなに時代が経っても社会システムが変わっても、決していなくなることはないだろうと感じます。
      いつの時代になっても孤独に苦しみ続ける同性愛者の学生が生み出し続けられる運命にあるのなら
      ぼくやmorizouさんのように純粋で本能的でどうしようもなく避け難い恋愛の体験談をインターネット上で公開するような同性愛者の人が増えて
      その思い出や現在の状況を共有することで、誰もが孤独からほんの少し抜け出せるような救いのある環境が整えば嬉しいですね。

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