水色の夏休みの少年

 

 

誰かのために歌を歌わなくてもいい
理由がために足を走らせなくてもいい
無意識の熱の真ん中を純粋さと孤独が貫く
ぼくはまだ 水色の夏休みの少年

ありふれた木のさざめきが霊を伝い
光に揺れるせせらぎが神を隠す
あらゆるものに神秘は満たされていた
ぼくは今も 水色と夏を宿している

清らかなはちみつレモンが喉を潤すとき
氷と硝子が無造作に高く触れ合うとき
透き通る感性は音楽を創造する
いつまでも憶えているあの歌は異国の言葉

ぼくは人を好きになってしまった
だからもう飛べなくなってしまった
ほとばしる青い液体を握りしめて
こんなもののために生まれたんじゃないと歌った

すべて夢だったのだと笑って終わりたい
真理はまだ心に夏の光を閉じ込めて
消えることのない透明な果実を祝おう
とてつもない光が心から消えるはずがない

 

 

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