なにひとつ手放すことがないように
この世で最も美しい衣をあげよう
過去と未来を揺らぐ光の絹の波
欠けてゆくことは幻だと告げよう
過去の言葉たちの中は
宝物であふれている
いずれもぼくが生み出した言葉
他人のようにかけがえのない言葉
ふりむきもせず
夢見ることもせず
ぼくはぼくの果実を衣に包もう
護られても明かされてもいない秘密
どんなに美しい言葉たちが
過去の時制からぼくを呼び戻しても
ぼくにできるのはイマの時代に
青い液体を滴らせることだけ
真理の言葉は時を貫く
ぼくの過去はイマと直結する
イマと変わりのない懐かしさを描きながら
前しか向かない瞳は震える
過去へと決して流れ込まない言葉たちが
ぼくの目の前にあふれているけれど
ぼくはまだ創造を退けない
核にある炎の声を捨てない
若さが叫ぶ心地のよい快楽も
生きるという果てしない苦悩も
すべてを青い液体に蓄えて
真理の果実は潤いを保っている