巡礼の道はわたしを掘る道
深く深く過去へと下りゆき
不意によみがえる思い出
わたしが忘れたわたしを知る
生まれたてのあの頃
いったい何があったの
生まれる前の時代
きっと何かあったの
わたしが忘れ去ったわたしが
今もわたしを生かしていく
けれど忘れ去ったままでは
いつしか荒野に倒れ込んで朽ちる
星々は指し示す
わたしの中の宇宙の森に
隠された秘密の石が
語りかける暗号の意味を
わたしが立ち尽くすこの大地は
石くれに揺れる砂の道ではなく
わたしが歩んだ足跡をすべて担いながら
その重みと軽さに震えている
文字ばかりを追いかけて知識ばかりを蓄えた
歴史ばかりを記憶して証明ばかりを崇拝した
速さばかりを身につけて富ばかりを競った
願いばかりを見つめて夢ばかり叶えた
過去に砕かれるな
星に迷うな
巡礼の影は教え諭した
わたしたちの真の糧となる黄金の原を
本当に大切なものから
瞳たちは覆い隠されている
取り祓え星を仰ぐように
指と腕が安らかに夜空へ舞う