命の星
ロシヤよ ロシヤよ わたしの心の根底に咲く花の色は 真白き雪に覆われて見えない いかように咲き誇られるだろう オホーツクの怪しく澄んだ青 雲ひとつない冬の空色のあいだ 飛び立った気球にも似た虹色 通りすぎの…
ロシヤよ ロシヤよ わたしの心の根底に咲く花の色は 真白き雪に覆われて見えない いかように咲き誇られるだろう オホーツクの怪しく澄んだ青 雲ひとつない冬の空色のあいだ 飛び立った気球にも似た虹色 通りすぎの…
なにひとつ手放すことがないように この世で最も美しい衣をあげよう 過去と未来を揺らぐ光の絹の波 欠けてゆくことは幻だと告げよう 過去の言葉たちの中は 宝物であふれている いずれもぼくが生み出した言葉 他人の…
五木寛之さんの「五木寛之 21世紀・仏教への旅」という番組は、ぼくの仏教への重要な最初の導きであったと同時に、これまでもそしてこれからも、ぼくにとって最も大切な仏教の題材のひとつである。 日本人に自殺が多い…
旅立ちました あなたの知らない時刻に 旅立ちました あなたの知らない国へと 別れなど言えないのは もういちどどこかで 必ず出会うことを 心のどこかで知っているから 変わり果てても見つけてね 遠く隔たってしま…
向こうに見えるのはロシヤだらうか どこからどこまでロシヤだらうか なにからなにまでロシヤだらうか 果てから果てまでロシヤだらうか 厚い外套を脱ぎ捨てたその先に わたしとロシヤの近隣があった 外套といふ一枚の…
“燃えるような疑いは ぼくが誠実に生きなかった証し 恥じなさい疑いを 他人も自分と同じように 裏切ると思い込む気持ちを” 疑いの深遠なるその瞳に救いを ・もうひとりのあなたがいる 優しそうな言葉の裏に、別の…
ひとつひとつは小さな謎 小さな謎が世界中に散らばる けれどすべては繋がっている 小さな謎も繋がってゆく 小さな謎は繋がり合い 偉大なひとつとなるのではなく 連なり合い重なり合い 広い秘密の世界を紡ぐ 海のよ…
ロシヤの冬は寒いだらうか ひとつの軌道を抱きしめて どこまでも広がる雪原に 消え果ててしまいはしないだらうか なぜこの足は赴くのだらう 碧い王国しか知らないこの精神を まるで落とした冬を拾わせるようにして …
忘却に慈しみをあげよう ・記憶と忘却 ぼくたちには生きていく上で、欠かせない重要なふたつの機能が備わっている。それは、覚えること、そして忘れることである。覚えることは難しく言えば記憶する、忘れることは固く言…
自分自身の昔の言葉が あまりに美しく胸に響くから まるで誰か知らない人が 書いた言葉に思われる夜 嘆かなくていい うつむかなくていい いつしかこのぼくの心も 過去へと流れ込むだろう 過去とは美しいイマの別名…