88の巡礼がぼくに与えたものは
濃厚な青い液体と少年の果実
口を閉じることも忘れてしまうような
あの暗黒に飛び散る青を覚えている
若さゆえに蓄えられない果実に
導かれながら少年は旅を燃やす
若さの中に蓄えざるを得ない果実を
宿命のように押さえつけては震える
本当は今すぐにでも解き放ちたい
もしもゆるされるものならば
ぼくの右手を空と海が阻む
おまえには触るべき仏が他にあると
ぼくの果実を悩ませるのは
他でもない異国からの調べ
自らのみなもとから押し寄せる
青い液体の種をぼくは知らない
ぼくの右手がぼくの顔を歪ませる
少しの摩擦がおかしな感情を狂わせる
88の巡礼で生まれ直した肉体は
はじめて触った果実の感覚を取り戻す