たとえばぼくが
普通の少年だったならば
あなたに好きと言われたくらいで
感動しなかったのかもしれない
たとえばあなたが
異形の少年だったならば
あなたの告げた愛しているを
当たり前だと笑ったかもしれない
ぼくもあなたのようになりたかった
普通の少年に生まれたかった
異なる肉体へ安らかに発情して
青い液体を滴らせて眠りたかった
あなたはぼくのようになりたくなかった
異形の少年にはなるまいともがいていた
けれどいつしかあなたはぼくを愛した
異形となるおそれはあなたの愛を咎めなかった
ぼくが異形の少年だからこそ
この愛は尊いことを知らなかった
あなたが普通の少年だからこそ
愛の重さが幼すぎてわからなかった